第2回「ビールのおはなし」

 

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「ビールて色々あるやん」

 

「おん」

 

「エールてあるやん」

 

「おん」

 

「あれは何?」

 

「あーっと、、、それはね

 

 

 はい!ということで「ビールのおはなし」第二回のテーマは

 

ビールとは何?エールとは何?

 

 みなさん、普段飲んでいるビールがどんな飲み物か知っていますか?知らないわけないですよね。はい、今日のブログはおしまい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あ?知らない?

 

 

 

ビールは定義できるのか

 最初に考えてみたいことは、ビールは定義できるのかということ。率直に言えば「これがビールの定義だよ」というものは実際ありません。酒税法によって発泡酒などと区別するために定められたビールの定義は確かにありますが、それは日本の法律の範囲内での話で厳密な定義は実は存在しません。例えば、ベルギーのビールに多いスペシャルビールなどは副原料の多さなどから法律上日本国内ではビールという扱いをされないことがあります。しかし、それっておかしな話ですよね。だってスペシャルビールなのに。

 

 歴史を振り返ればビールを定義しようという動きがなかったわけではありません。1516年にバイエルン公国のウィルヘルム4世は「ビールは大麦、ホップ、水のみを原料とすべし」という内容のビール純粋令を出しています。実際、これはビールを定義することが目的というよりも、重要な産物であったビールの品質を下げないためのものだったと言われています。ただ、現在に至るまでビール原料の基本的な定義はこの純粋令を基準に考えて問題ないと思います。

 

 原料の定義の他にもいくつかビールに特徴的なことはあります。その一つは、ビールが単行複発酵酒だということです。基本的に酒は、酵母による発酵(糖からアルコールと炭酸ガスを生成すること)によってつくられます。原料には糖が最初から含まれているものと含まれていないものがあります。ワインなどの場合は、葡萄に糖が含まれているので変な話その辺にほっといても自然酵母で発酵するかもしれません。こちらを単発酵酒と言います。一方でビールは原料に糖が含まれていないため原料中のデンプンを糖化させる必要がある酒です。これが上で述べたように単行複発酵酒と呼ばれるものになります。これもビールの特徴と言えます(ビールがどうやってできるかはまたいつか)。下の図の黄色のマーカーで括ってあるところが糖化の過程になります。

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エールとは何か

 さて、ここまでビールの定義や特徴について話をしてきました。次はエールとは何か探ってみましょう。実はここまでの話がエールを理解するのに重要になってきます。なぜならエールと日本で私たちが普段飲んでいるラガーと呼ばれるビールの違いは大まかに言って発酵スタイルと酵母の違いに起因するからです。上面発酵酵母を使って発酵させるのがエール。そして、下面発酵酵母を使って発酵させるのがラガーと呼ばれるビールになります。基本的に上面発酵させる場合は15℃~25℃で3~5日間の発酵となります。そして、酵母自体が浮遊性酵母なので液面に酵母が浮いてきます。それに対して、下面発酵の場合は10℃で長い期間の発酵が必要になります。また、こちらの酵母は凝集性のため下に沈殿します。

 

 ラガーとエールの区別は、ビアスタイルとは異なる区別になります。まず、エールとラガーの区別があり、そこからそれぞれのビアスタイル(ヴァイツェン、へレス、ポーター、ピルスナーなど)に分かれていきます。普段、日本国内で大手のメーカーから売られているビールは主にラガーに分類されるものです(詳細に言えばピルスナー)。私たちにとってはラガースタイルのビールが馴染み深いですが、歴史的にエールの方が歴史は長いです。ラガースタイルのビールが登場するのは15世紀に入ってからになります。

 

 で、これ知っている人はかなりマニアックだと思うのですが、もう一つ発酵の種類があります。それが、野生酵母を使った自然発酵のビールです。ランビックと呼ばれます。このタイプは酵母の種類以外にも様々な特徴があります。ブリュッセルとその近郊以外でつくられるもの以外は正式なランビックとは認められなかったり、酸化したホップを使ったりします。自分は何度か飲んだことがありますが、いずれにしても複雑な味で形容できる語彙を見つけることができませんでした。

 

 

終わりに

 少し短いですが、今回はここまでにしたいと思います(あまり詰め込んでも飽きるし)。これから先もビールに関する情報をちょこちょこ普通の記事の間に書きたいと思います。ビアスタイルとかの話ができればいいなぁと思っているのですが、余りにも種類が多いので、次はビールができるまでについて書こうかなと思っています。それでは、次回の「ビールのおはなし」でお会いしましょう。バイバイ!